報告・提案を通すAI仕事術: 稟議・上申・提案資料。差し戻されずに、その場で決まる (管理職のAI仕事術) (Japanese Edition) ler

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Descrição do livro


三度出して、三度戻された提案が、引き出しに入っていませんか。「悪くはないんだけどね」と言われるだけで、どこを直せばいいのか分からない。稟議も、上申も、意思決定資料も、書き直すたびに夜と休日が溶けていく。本書は、その提案を「決められる形」に組み直すための本です。

通らない提案は、中身が悪いから通らないのではありません。決める人が、決められる形になっていないから通らない。この一点に立って、提案を〈決めごと・見込み・退き方〉の三つで組み立て直す型を、九つの章に分けて手渡します。

そして本書は、AIに資料を書かせて稟議を通す本ではありません。材料集めと下書きはAIへ。何を決めてもらうかの判断と、通したあとの結果の責任は人へ。この一線を、最初から最後まで動かしません。

この線引きは「AIにできるか、できないか」では決めていません。最終決定と説明責任を、だれが引き受けるかで決めています。だから、AIがこの先どれだけ賢くなっても、本書の原則は揺れません。収録した九つのプロンプトも、AIを動かす呪文ではなく、AIが出したものを人が点検するための確認基準として書いてあります。

【本書の背骨】

提案は、三つで組み立てる。決めごと(何を決めてほしいのか)、見込み(決めるとどうなるのか)、退き方(だめだったとき、いつ、どこで止めるのか)。本書ではこれを「提案の三点セット」と呼びます。この三つで組み立てられるようになれば、社内文書の様式が変わっても、上司が代わっても、通し方の骨は変わりません。

三つ目に退き方が入っているのが、本書のいちばんの特徴です。これから通そうという提案に、失敗したときの話を自分から書く。意外に思われるかもしれませんが、決める側に回ると見え方が変わります。

【こんなところで、止まっていませんか】

・「で、私は何を決めればいいの」と聞き返されて、資料が振り出しに戻る
・効果を書くと「根拠は」と必ず突っ込まれ、答えに詰まる
・「始めたら止められないよね」と渋られて、決裁が先送りになる
・経理や情報システムのところで、毎回止まる
・資料が厚くなるほど読まれず、判断が保留される
・会議で質問に詰まり、その場の空気で流れてしまう
・決裁の場で「下は何と言ってる」と戻される
・通ったのに、そのあとだれも動かないまま消えていく

【本書で分かること】

■ 差し戻しの五つの型
提案が戻される理由には型があります。中身をさらに詰めるのではなく、決められる形に組み直す。その地図になるのが、この五つです。何を決めてほしいのかが書いていない/効果が願望で前提が書いていない/だめだったときにどうするかが書いていない/読み手の関心と違う言葉で書いてある/決める人が初めてその話を聞かされる。この五つのどれに当てはまるかが分かれば、直す場所が決まります。

■ 決めごとを、一文にする
決裁者に決めてほしいことを、金額・期間・人・権限の四つが入った一文にします。「記録を一元管理したい」ではなく「年間120万円の記録共有サービスを、来期4月から1年間、サービス課(現員18人)で試すことを、部長決裁で承認してほしい」。判断できる文書と、判断できない文書の差は、この程度の書き換えで生まれます。決めごとを小さく割る考え方も扱います。

■ 見込みの数字を、正直に作る
必要な数字は三つだけ。今こうなっている(自分たちで数えた数)、こうなる見込み(一点でなく幅で)、その前提(何が成り立てばそうなるか)。一つの数を1週間だけ数える方法、幅の下限と上限に理由をつける書き方、そして効果の話を売上まで飛ばさず、階段を一段ずつ書く考え方まで。

■ 退き方を、先に書いておく
決める人がいちばん恐れているのは、失敗ではなく、始めたら止まらなくなることです。だから、いつ・何を見て・だれが止めるかを、提案する側が自分から一文で書く。退き方を書くことは提案を弱めるのではなく、決裁のハードルを下げます。止めたときに何を残すかまで含めて、本書のいちばんの核となる章です。

■ 決める人の関心に、翻訳する
上司・経理・情報システム・法務・経営層は、それぞれ別の責任を負っていて、見ている場所が違います。決めごとは変えず、見込みと退き方の見せ方だけを相手に合わせる。上司が、そのまま上に説明できる一行の作り方も置きました。

■ A4一枚に、収める
決めごと/今こうなっている/こうなる見込みと前提/退き方/費用と期間/決裁のお願い。六つの枠と、その並び順。本体は一枚、添付は厚くていい。本文で森田さんが決裁に持ち込んだ一枚を、記入例としてそのまま収録しています。点検の方法は一つ、「その一枚を見ずに、60秒で言い切れるか」。

■ 反論を、先に机に載せる
会議で詰まる質問の多くは、事前に出せた質問です。まず10問出して、5問に絞る。絞る基準は「答えられないと決裁が止まるか」。正面から答える、根拠は一つだけ、分からないことは期限をつけて分からないと言う。この三つの型と、森田さんの5問と答えを載せました。

■ だれに、どの順で見せるか
会議で初めて聞く話は通りません。土台を作る人、止められる人、決める人。この三段階の順番と、それぞれに渡すものを分けます。そして、いちばん反対しそうな人に、いちばん早く会う。決裁日から逆算した16日間の組み立て方まで。

■ 通したあとの責任と、AIに渡していい情報
通った提案の多くは、そのあと動きません。だれがやるかが決まっていない、報告の間隔が決まっていない、退き方を宣言したのに見に行っていない。この三つが理由です。四つの項目で出す短い報告と、止めるときの作法。あわせて、提案の資料をAIに渡すときの線引きを、A4一枚の安全チェックとして手元に残します。外部の一般向けAIと、自社で承認された業務環境を分けて考える形です。

【この本が扱わないこと】

本書が扱うのは、自分の提案を一件、決裁まで運ぶところまでです。社内のAI利用規程をどう作るか、部門としてAIをどう定着させるか、投資対効果をどう経営に説明し続けるか、といった仕組みの側の話は、範囲の外に置きました。まず一件を通せるようになることが、現場の課やチームを預かる立場では先に効くと考えているからです。

また、提案が必ず通るようになる、とも書いていません。予算の時期や、会社の優先順位や、そもそもの是非で、通らないものは通りません。本書が渡せるのは、通らなかった理由を自分で見つけられる目のほうです。

【手元に残るもの】

・提案一枚シート(空欄の形と、記入例つき。各欄に対応する章を明記)
・プロンプト集 P1〜P9(決めごとの候補出し/見込みの前提/退き方の指標/立場別の疑問/一枚への圧縮/想定問答10問/見せる順番/決裁後の報告/渡す前の点検)
・最初の7日間(1日ひとつ、所要時間つき)

図解は各章に一枚ずつ、全九枚。スマートフォンのKindleでは連続スクロール(縦読み)を前提に組み、巻頭に設定の案内を一枚入れています。各章の頭には「この章でできるようになること」を一文、章末には「この章の一手」と「よくある質問」を置きました。

【こんな方へ】
・現場から昇進して、いま課やチームを預かっている方
・いい案を持っているのに、稟議や上申の段階で止まってしまう方
・資料の枚数は増えるのに、決裁が進まないと感じている方
・決裁者が何を気にしているのかを、読み違えている気がする方
・根回しという言葉に抵抗があり、いつも会議で初出しになってしまう方
・生成AIを下書きに使っているが、社内の数字や人の名前をどこまで入れていいか決めかねている方
・数年で古くなるAIの操作本ではなく、判断の基準が残る本を探している方
・部下や後輩に「提案の書き方」を教える立場になり、教える型がほしい方

【目次】
はじめに
第1章 なぜ、いい提案ほど差し戻されるのか
第2章 何を決めてほしいのかを、一文にする
第3章 見込みの数字を、正直に作る
第4章 退き方を、先に書いておく
第5章 決める人の関心に、翻訳する
第6章 A4一枚に、収める
第7章 反論を、先に机に載せる
第8章 だれに、どの順で見せるか
第9章 通したあとの責任と、AIに渡していい情報
巻末付録 プロンプト集(P1〜P9)
最初の7日間
提案一枚シート(空欄+記入例)
この本の次に
おわりに/参考文献・出典

※本書は「管理職のAI仕事術」シリーズ 第11巻です。各巻は独立してお読みいただけます。

Número de páginas :112
Isbn 13 :9798190343380
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